大腸がんリスクを高める大腸菌に「緑茶」が効果的
私たちの腸内には無数の細菌が生息しており、その中には健康を支える”善玉”もいれば、時に健康を脅かす”悪玉”もいます。特に注意したいのが、pks+ E. coliというタイプの大腸菌です。この”悪役”は、コリバクチンという有害な物質を生成し、大腸がんのリスクを高める可能性があります。
最近の研究では、223人の健康な日本人成人を対象に、彼らの食生活が腸内のpks+ E. coliの存在にどのような影響を及ぼすかを調査しました。食生活を詳しく見るために、食事の習慣や緑茶、マンガン(栄養素の一種)の摂取量をチェックしました。
驚くべきことに、緑茶をよく飲む人たちやマンガンを豊富に含む食品を多く摂取している人たちの腸内からは、この問題を引き起こす大腸菌が明らかに少ないことが判明しました。つまり、日々の食生活において、緑茶やマンガンを積極的に取り入れることが、大腸がん予防に役立つ可能性があるのです。
緑茶やマンガンってどこに含まれてるの?
特に注目したいのは、この研究で緑茶がマンガンの主な摂取源であることが明らかにされた点です。実は、緑茶から得られるマンガンが、参加者のマンガン摂取量全体の約75.6%を占めていたのです。
マンガンは、他にも穀物、ナッツ、豆類、葉緑野菜などに豊富に含まれています。これらの食品を日々の食事に取り入れることで、マンガンの摂取量を自然に増やし、腸内環境の改善と大腸がん予防につなげることができます。
この研究は、食生活が腸内細菌と健康にどう影響するかを示す一例に過ぎませんが、緑茶やマンガンが豊富な食品の摂取が、腸内の”悪役”を減らし、大腸がんのリスクを低減する可能性を示唆しています。
もちろん、これは横断研究の結果であり、因果関係を確定づけるためにはさらなる研究が必要です。しかし、日常的に緑茶を楽しんだり、マンガンを多く含む食品を食べる習慣を始めることは、大腸がん予防への簡単な一歩となりうるでしょう。
(参考文献)
コメント