便秘と水分摂取量の関係性に関する研究は、いろいろな角度から注目されています。一般的にも、「健康のために1日2リットルの水を飲みましょう」と言われますよね。
今回は、水分不足がどのようにして便秘に影響をしているのか、また本当にただ水を飲むだけで健康に良いのか、便秘に効果的なのかについて研究情報を見ていきましょう。
低水分摂取量が便秘のリスクを高める
以前から、水分摂取量を一日に1.5〜2.0リットルとすることで、便秘の症状を改善するのに有効であると言われています。
一方で、健康な成人に対してそれ以上に水分の摂取を進めた際に、便を出す力に変化はなかったという結果もあります(尿だけたくさん出ました)。
2022年には、1日0.5リットル、1リットル、2リットルの水を3日間摂取する実験で、水分摂取量と便通の改善に有意な関係があることが示されています。
こうした点から、やはり水分摂取は便秘改善にとって大切だとわかります。

また、妊娠中の女性や高齢者においては、飲み水としての水分摂取が便秘予防に特に効果的であることも別の研究で示されています。
妊娠中はホルモンバランスの影響で、通常よりも腸からの水分吸収が増加し、便秘になりやすい状態です。
高齢者における便秘は、脱水症や不適切な食事摂取が原因であることが多いです。
軽度の脱水症は体内への水分吸収が促進されるため、腸に水分が少なくなります。こうした点からも、やはり水分摂取は便秘予防に欠かせません。
水分摂取のみで改善しない場合は、食物由来の水分が不足しているのかも
近年になって、2019年に発表された論文でも水分摂取量が少ないと便秘のリスクが高まることが示されています。ただし、この研究で注目したいのは「便秘の発生率の高さに関連しているのは、食物由来の水分摂取量が低い場合」という点です。
つまり、単に飲み水として不足していることが単純に便秘リスクと関連しているのではなく、「食品中に含まれている水分が便通を良くする」ために大切だということです。

マグネシウムと食物繊維の効果は水と一緒に発揮される
2007年の日本人女性を対象とした研究では、食物からの水分摂取とともに、マグネシウムの摂取が機能性便秘の発生率を低下させることが示されています。
マグネシウムには、以前から知られているように水分を腸内に保持する役目があり、便を柔らかくすることで便秘解消効果があります。それをこの研究も裏付ける結果です。
また、食物からの水分摂取は、食物繊維を摂ることで補うことができます。
オオバコの種子が機能性便秘の解消に役立つ
2008年に発表されている論文では、オオバコという植物の種子が、水分を含むと腸内で膨らみ便秘を解消することが報告されています。
オオバコは食物繊維を豊富に含み、保水性や膨張性に優れていることが知られています。粉末も販売されていますので、料理に混ぜて使用することも良いでしょう。
論文中では、一日10g程度の食物繊維摂取量の増加が必要とされていますが、日頃の便秘解消のためにはまず4〜5g程度の増量を目指してみましょう。
もちろん、マグネシウムを含む食材もおすすめです。
カボチャの種やひまわりの種、アーモンド、ほうれん草、黒豆などが具体的な食材として挙げられます。他にも、全粒穀物やバナナ、アボカドにも含まれます。
水分摂取をしっかりと心がけるとともに、食事からの水分摂取量も不足しないように、日頃の食事をバランスよく整えていきましょう。そうすることで、便秘解消だけでなく、全体的な健康維持にも貢献できます。
(参考文献)
Asian Journal of Medicine and Health. 20, 1-10 (2022)
Nutr Hosp. 32, doi: 10.3305 /nh.2015.32.sup2.10298 (2015)
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J Hum Nutri and Dietei. 32, 422-431 (2019)
Eur J Clin Nutr. 61, 616-622 (2007)
Pediatr Med Chir. 30, 146-148 (2008)Am J Clin Nutr. 116, 953-969 (2022)


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