味噌は日本の伝統的な発酵食品であり、多くの健康効果が報告されています。
その中でも特に注目されるのが抗肥満効果です。2019年の研究では、味噌の摂取と運動の組み合わせが、脂肪の蓄積を抑制し、体重管理に有効であることが示されています。
味噌と運動の抗肥満効果に関する研究
東北大学の研究チームは、1975年と2010年の日本の食事に含まれる味噌の量が、肥満の発生に与える影響を調査しました。以前行われた研究で、1975年型の日本食が内臓脂肪の蓄積を抑制することが示されています(特徴はこのブログの後半で)。
今回の研究では、マウスに対して1975年の食事の味噌含有量(2.6%)と2010年の食事の味噌含有量(1.6%)を再現した高脂肪食を与えました。どちらの群も基礎となる高脂肪食は同じで、味噌の配合量だけが異なります。
味噌の含有量が多い餌を食べると脂肪が減少する
1975年の味噌含有量(2.6%)の餌を摂取したマウスは、白色脂肪組織の重量と脂肪細胞の面積が有意に低いことが確認されました。
これにより、味噌の含有量が多い食事が抗肥満効果を持つことが示されました。

味噌と運動を組み合わせるとさらに効果アップ
運動(トレッドミル運動)と味噌摂取(2.6%)を組み合わせた群は、脂肪組織の重量と脂肪細胞の面積がさらに減少し、運動のみの群よりも効果的に脂肪蓄積が抑制されました。
この組み合わせにより、リポリシス(脂肪分解)に関与する遺伝子の発現が増加し、脂肪細胞の縮小と分解が促進されました。

人の実際の食生活ではどのくらいの味噌を摂ると良いの?
この研究でマウスに与えた味噌の量を私たちの食事に換算すると、1975年の日本の食事に相当する味噌の摂取量は「一日約20.8グラム」、2010年の食事では「約10.8グラム」となります。
味噌汁一杯に含まれる味噌の量は大体15〜20グラムですので、1975年の食事に相当する量は、一日1杯から2杯の味噌汁を摂取することに相当します。朝と昼、もしくは朝と夜に一杯ずつ味噌汁を飲むことは、日常生活で十分に達成できそうですね。

なぜ1975年と2010年の食事が選ばれたのでしょうか?
1975年と2010年の日本の食事が選ばれた理由は、これらの年が日本の食文化と食習慣の重要な転換点を表しているためです。1975年の食事は戦後の日本が高度経済成長期にあった時期であり、伝統的な和食をベースとしつつも栄養バランスが取れた食事が特徴でした。一方、2010年の食事は、食の欧米化の影響を強く受け、脂肪や砂糖の摂取量が増加した現代的な食事パターンを反映しています。
<1975年の食事の特徴>
高い味噌摂取量:
味噌は多くの日本人家庭で毎日の食事に欠かせないものでした。味噌汁をはじめとする味噌を使った料理が多く、味噌の摂取量は現在と比べて非常に高かったです。
多様な食材:
伝統的な和食は多様な食材を使用し、栄養バランスが取れているのが特徴です。魚、野菜、大豆製品(味噌や納豆)、海藻、米などが主要な食材でした。
低脂肪・低糖質:
1975年の食事は、脂肪や糖質の摂取量が少なく、自然食品を多く摂取していました。
発酵食品の利用:
味噌や納豆、漬物などの発酵食品が日常的に摂取されていました。これらの食品は腸内環境を整える効果があり、健康維持に寄与していたと考えられます。
規則正しい食事習慣:
家族での食事が一般的であり、食事時間が規則正しく、また食事の量や内容もバランスが取れていました。
研究内で実施されたトレッドミル運動の種類と強度
研究内で実施されたトレッドミル運動は、マウスにとって中程度の強度の運動です。
この運動は、人間に置き換えると、穏やかなジョギングに相当します。ジョギングの速度は個人差がありますが、おおよそ時速6〜9キロメートル程度です。このような中程度の運動は、脂肪の燃焼と持久力の向上に効果的であり、日常生活でも取り入れやすい運動です。味噌を良く摂っている人は軽いジョギングを、運動習慣のある方は味噌汁を、と相乗的な効果が期待できます。
今回の研究は、味噌の摂取が運動と組み合わさることで、脂肪の蓄積を効果的に抑制し、体重管理に有効であることを示しています。味噌は抗酸化作用を持ち、生活習慣病の予防にも役立つことが知られています。日常生活において、定期的な運動と共に味噌を摂取することは、健康維持と体重管理にとっておすすめの習慣です。
(参考文献)
Miso (Fermented Soybean Paste) Suppresses Visceral Fat Accumulation in Mice, Especially in Combination with Exercise
Nutrients. 11:560 (2019)


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