みなさんは「糖はすべて同じ」と思い込んでいませんか?
実は、糖の種類や摂取源によって体への影響は大きく変わります。今回は、糖の摂取源である果物、フルーツジュース、ハチミツ、砂糖入り飲料(SSB)について科学的な視点から解説し、何を選ぶべきかを考えていきましょう。
(記載している数値は参考文献を参照しています)
糖の摂取源ごとの特徴
まずは、各糖の摂取源ごとに特徴を見ていきましょう。
<砂糖入り飲料(SSB)>
・主な糖の種類:ショ糖(砂糖)、高果糖コーンシロップ(フルクトースとグルコースの混合物)
・糖の量:1回分あたり36 g
カロリーが高く、栄養素はほとんど含まれていません。
大きなペットボトルで摂取すると簡単に大量の糖分を摂ってしまいがち。
<ハチミツ>
・主な糖の種類:フルクトースとグルコース
・糖の量:1回分あたり3.8 g
自然な甘味料で、ビタミンやミネラルも含まれています。
ただし、砂糖と同じくらい高カロリーで、血糖値への影響も大きいです。

<フルーツジュース>
・主な糖の種類:フルクトース
・糖の量:1回分あたり15 g程度
果物由来のビタミンやミネラル、ポリフェノールが含まれています。
しかし、加工により繊維質が少なくなり、糖分が濃縮されている場合があります。
<全果物>
・主な糖の種類:フルクトース
・糖の量:1回分あたり10 g程度
自然な形で繊維質が豊富に含まれています。
消化に時間がかかるため、血糖値の上昇が緩やかで満腹感も持続します。

研究結果から見る糖の摂取源ごとの健康との関係
Javier T. Gonzalezの論文では、糖の摂取源ごとに健康との関係が示されています。
<砂糖入り飲料(SSB)>
中性脂肪濃度が増加し、長期的に摂取すると体重増加、心血管疾患のリスク増加につながります。
血糖値やインスリン値を上昇させ、腸内環境にも悪影響を及ぼす可能性があります
<ハチミツ>
血糖値を下げる効果が報告されていますが、炎症マーカーを増加させる可能性もあります。
他の糖源と比べて中立的な影響とされています。
<フルーツジュース>
カリウムの摂取により血圧を下げる効果があり、炎症マーカーを減少させる効果も示されています。
ただし、糖分が濃縮されているため、飲み過ぎには注意が必要です。
<全果物>
血糖値や血圧を改善し、満腹感を持続させる(過剰な食欲を抑える)など、最も健康に良い糖源とされています。
水溶性食物繊維が糖の吸収を遅らせる作用があります。
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減らし、心血管リスクを低減する効果も確認されています。
腸内環境との関係性
糖の摂取源が腸内環境に与える影響も健康に大きく関係しています。
<砂糖入り飲料(SSB)>
加工された液体糖は繊維質がほとんど含まれていないため、腸内細菌への良い効果は期待できません。
一部の研究では、SSBの過剰摂取が腸内の短鎖脂肪酸(SCFA)のバランスを崩し、腸内の微生物多様性を低下させる可能性が示唆されています。
普段は良い働きをする酢酸が、腸内細菌の乱れで過剰に作られると、肝臓での脂質代謝に悪影響を与える可能性もあります。
<ハチミツ>
ハチミツには少量のポリフェノールやビタミン、ミネラルが含まれており、腸内細菌に一定の影響を与える可能性があります。
ただし、腸内環境への明確な効果はまだ研究段階です。
<フルーツジュース>
フルーツジュースには果物由来のビタミン、ミネラル、ポリフェノールが含まれていますが、加工により繊維質が取り除かれています。
そのため、砂糖入り飲料(SSB)ほどではないにしても腸内細菌叢への良い影響は期待できません。
<全果物>
全果物は水溶性食物繊維(ペクチンなど)が豊富で、腸内細菌叢に良い影響を与えます。
繊維質は腸内細菌によって発酵され、短鎖脂肪酸(SCFA)が生成されます。特に酪酸は腸の健康をサポートし、炎症を抑える効果が期待されています。

日常生活の中でどの種類の糖を選ぶべき?
全果物を優先:できるだけ新鮮な果物を選び、食事に取り入れましょう。1日2個のリンゴが健康に良いという研究結果もあります。
フルーツジュースを選ぶ場合は100%果汁:砂糖の追加されたものは避けましょう。摂取量は150ml程度が適量です。
ハチミツは少量に:自然の甘味料ですが、使い過ぎには注意しましょう。
砂糖入り飲料(SSB)は控えめに:できるだけ避けるのがベストです。代わりに水やハーブティーを選びましょう。
果物やフルーツジュースを選ぶ際は、そのままの全果物を優先し、糖分の摂取量を抑えることが健康への第一歩です。適切な糖源を選ぶことで、心血管リスクや体重増加を抑え、健康的な食生活を送りましょう。
(参考文献)
Are all sugars equal? Role of the food source in physiological responses to sugars with an emphasis on fruit and fruit juice
Eur J Nutr. doi: 10.1007/s00394-024-03365-3. (2024)


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