食事は腸内細菌叢や血液中の成分に大きな影響を与えることが知られています。
特に、日本の食事パターンは健康に寄与する要因として注目されています。今回のブログでは、習慣的な食事摂取の状況と腸内細菌叢の関係を調査した結果、ラーメンの摂取が日本人女性の腸内細菌叢の多様性に最も強く関係したという論文をご紹介します。
研究の概要
この研究は、224名の健康な日本人成人女性を対象とした横断的研究であり、全食事歴を評価し、腸内細菌叢の多様性、および血液生化学の関係を調査しました。ラーメン摂取量は、食事歴をもとに評価され、腸内細菌叢の多様性は16S rRNA遺伝子アンプリコンシーケンシングを用いて測定されました。
結果として、ラーメン摂取量が増えるほど腸内細菌叢のα多様性(個人の腸内細菌叢の多様性)が低下することがわかりました。α多様性は数値が高い方が健康度が高いと評価されています。

ラーメンを頻繁に食べる食習慣は腸内環境の悪化に繋がります
この研究でラーメン摂取が少ない、多いと分けているのは次の分量が基準になります。
ラーメン摂取が多い群:約1ヶ月に1回程度
ラーメン摂取が少ない群:ほとんどラーメンを摂取していない
・ラーメン摂取と腸内細菌叢の多様性
ラーメン摂取は腸内細菌叢のα多様性(Shannon指数およびSimpson指数)に負の相関がありました。つまり、ラーメンを頻繁に摂取する女性は、腸内細菌叢の多様性が低い傾向がありました。
・栄養素の摂取
ラーメン摂取グループは、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB6、パントテン酸、α-トコフェロール、ビタミンK、β-カロテン、カリウム、マグネシウム、亜鉛、銅などの栄養素の摂取量が有意に低いことがわかりました。これらの栄養素は腸内細菌叢の健康にも重要です。

・特定の腸内細菌の変化
ラーメン摂取は、特定の腸内細菌の相対的な存在量にも影響を与えました。例えば、ラーメン摂取グループでは、短鎖脂肪酸(SCFA)を産生するDoreaなどの細菌属が少なくなる傾向がありました。
Doreaという菌は短鎖脂肪酸を作る菌ですが、少ない場合には外からプロバイオティクスとして摂取するビフィズス菌の効果を得やすいという研究もあります。そのため、ラーメンを食べる習慣が多い人は、ビフィズス菌を摂取するのも一つの解決策でしょう。
・血液生化学的指標
ラーメン摂取は、γ-グルタミルトランスフェラーゼ(肝機能マーカー)の上昇と関連していました。これは、頻繁なラーメン摂取が肝機能に悪影響を与える可能性を示唆しています。
ラーメンは美味しいです、でもその分普段の栄養バランスに気を付けましょう
今回ご紹介した研究では、ラーメン摂取が日本人女性の腸内細菌叢の多様性および健康に与える影響を明らかにしました。ラーメンの頻繁な摂取は、腸内細菌叢の多様性を低下させ、特定の栄養素の摂取不足と関連していることが示されました。これにより、腸内環境や全体的な健康に対する潜在的なリスクがあります。

ラーメンを頻繁に摂取する方は、バランスの取れた食事を心がけ、野菜や果物、魚介類などの栄養豊富な食品を積極的に取り入れることが重要です。糖質を控えめにして、ミネラル、ビタミン、食物繊維、オメガ3脂肪酸を含む食事や献立を心がけていきましょう。これにより、腸内細菌叢の多様性を維持し、健康を向上させることが期待されます。
(参考文献)
Ramen Consumption and Gut Microbiota Diversity in Japanese Women: Cross-Sectional Data from the NEXIS Cohort Study
Front Nutr. 2021; 8: 648073.


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