ケーキやドーナツ、ジュースなど、甘いものを前にするとどうしても買ってしまう方も多いのではないでしょうか。ダイエットして痩せたいのに、ついつい甘いものを食べたい気持ちが抑えられず食べてしまう…
私も実は、小さい頃はお菓子が大好きで、袋にギッシリ詰まったチョコを一度に食べてしまったり、ジュースは毎日冷蔵庫に入っていたり、どちらかというとプチ肥満気味な子供でした。でも、今は自分から甘いものを買うことはほとんどなく、アイスも好きですけど1/3ずつ食べて満足するような体質になっています。
では、何が変わったのか。
やはり普段から食べているものが変わり、腸内環境が改善されたからではないかと思います。以前は怒りっぽかったり、過食したり、今とは大きく違う性格でした。

今回ご紹介する研究は、マウスでの実験ではありますが、腸内の微生物が甘いものへの欲求をコントロールしているのでは!?というお話です。
腸内細菌が甘いものの消費を抑制する
最近の研究により、私たちの腸内に生息する腸内細菌が、食欲や食物の選択に大きな影響を与えていることが明らかになっています。特に、2023年『Current Biology』に掲載されたOuseyらの研究では、マウスの腸内細菌叢が高ショ糖の餌(ショ糖:砂糖)などの嗜好性の高い食物の消費を抑制することが示されました。
腸内細菌は、腸と脳をつなぐ神経(迷走神経)を通じて腸から脳に情報を送り、「何を食べるか」という摂食行動を私たちが意識していない状態で刺激することがわかっています。例えば、腸内に栄養やカロリーが検出されると、脳の報酬回路が活性化し、私たちを「食べさせる」行動に駆り立たせます。
腸内細菌叢が悪化してしまうと、報酬、感覚処理、学習といった仕組みが乱れてしまい、ある食物だけを過剰に食べ過ぎてしまい、中毒性が生じてしまうのです。
腸内細菌がいなくなると甘いものへの欲求が高くなる
この研究では、抗生物質で意図的に腸内細菌を無くしたマウスは、高ショ糖の餌を過剰に摂取することが観察されました。つまり私たちに例えると、腸内細菌叢が悪化しているとケーキやジュースへの自制が効かなくなり、過剰に食べ過ぎてしまうことを示しています。

そして、論文内ではこの高ショ糖の餌を食べることを抑制する、特定の腸内細菌を見つけています。その腸内細菌は乳酸菌の一種であるLactobacillus johnsoniiと、S24-7という種の微生物でした。
マウスと人間では、腸内細菌の種類が大きく異なりますし、人間には乳酸菌(Lactobacillus)はとても少ないことがわかっています。そのためこの乳酸菌を摂取して同じように人間で甘いものへの欲求が収まるかどうかは分かりませんが、腸内細菌叢を適切に維持することが過剰なスイーツ等の摂取を抑制できるのではないかと考えられます。

腸内細菌のうち短鎖脂肪酸を合成する菌は、食物繊維を分解、発酵して短鎖脂肪酸を作り出し、これらが過剰な食欲を抑制することも知られています。ダイエットしたいけどなかなか甘いものが止められない方、まずは腸を整えてから始めると効果がアップすると思います。
(参考文献)
Current Biology 33, 147-157 (2023)
Gut microbiota suppress feeding induced by palatable foods


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